工場、研究所、病院等の産業用途だけでなくオフィスビルの空調設備、自動車の空調、家庭用空気清浄機も含め様々な分野にて高機能、多機能のエアフィルターが求められております。

この度セルロースナノファイバー(CNF)をベースに日本ゼオンで開発したイオン交換ナノ分散化技術により、抗菌、消臭効果をもたらす金属イオンを不織布(支持体)上に広く塗布することが可能な水溶液を開発しました。

この水溶液を塗布した不織布は、様々な分野のエアフィルターに適用可能な競争力のある消臭ソリューションになると考えています。

セルロースナノファイバーは大きな比表面積を有するので、各ナノファイバーが消臭効果をもたらす数多くの金属を担持することができ、それにより少量のセルロースナノファイバー、少量の金属イオン(銀または銅)でも著しい抗菌、消臭効果を不織布に付与できます。

加えて、分散性が良く、沈殿や凝集が起きないという利点もございます。

セルロースナノファイバーは消臭効果の立ち上がり速度が速く、既存の消臭材料と比較すると初期の消臭量が多く、消臭速度が速いという試験結果が出ています。

また、電子デバイス向け透明放熱シートとしてセルロースナノファイバーを利用できる可能性が見つかりました。モジュールの小型化や薄型化に伴い高性能の放熱シートの需要が高まっており、グラフェン、セルロースナノファイバーを初め様々な放熱材料(ヒートシンク)が開発されていますが、セルロースナノファイバーは新たな可能性を見出す素材として注目されております。

スマートフォン、ノートPCなど小型機器だけでなく電気自動車のパワーモジュール、通信基地局におきましても今後放熱シートへの要求が高まってくると思われます。

 

セルロースナノファイバーに消臭と抗菌効果を付与する  水ベースのイオン交換ナノ分散プロセス技術

概要

日本ゼオン株式会社はセルロースナノファイバーに適用可能な独自のイオン交換プロセスを開発しました。そして、それはセルロースナノファイバーに消臭と抗菌効果を与えます。 本技術は、(粉末の)銀または銅を表面に塗布する他の方法と比較してより少量のセルロースナノファイバー(および銀または銅などの金属イオン)を用いてより長期間にわたりより高い脱臭効果を提供することができます。本技術により、表面に塗布される消臭剤や抗菌剤のコストを下げる事ができます。

TEMPO – 酸化セルロースナノフィブリル (TOCN:TEMPO-Oxidized Cellulose Nanofibrils) は、一価、二価、または三価の金属イオンとイオン交換することができます。金属イオンを導入すると、TOCNに消臭効果が加わります。この物質は悪臭ガスを効率的に脱臭します。その消臭能力は、銅と臭気発生材料の硫化物との間の反応の結果であると思われます。フィブリル化プロセスは水中で起こります。金属塩を用いて水中で完全なナノ分散を達成することができるのです。このナノ分散法は全く新しいものです。日本ゼオンが開発した本材料は非常に透明なものです。

TOCN材料はまた、抗菌効果を有することが知られている金属(銀および銅など)とイオン交換することができるので、抗菌コーティングにも利用することができます。 セルロースナノファイバー(CNF)は、物体表面に適用すると機能し、洗い流される事はありません。ガラスおよびガラス様材料のような親水性基材に対する強い接着力を持ちます。 CNF材料は、プラスチックのような疎水性表面には付着も吸収もされず、そしてその有効性が表面上でしか現れないので成形プラスチック製品の添加剤として使用することはできません。

 

想定される用途

  • 消臭スプレー
  • 消臭シート
  • 消臭繊維
  • その他スプレーや塗布で適用可能な用途

便益の要約

  • 消臭効果
  • 抗菌効果
  • 表面を洗い流さない
  • コスト削減

 

技術の要約

独自のZeonプロセスは、効果的な消臭機能を提供することができるTEMPO – 酸化セルロースナノフィブリル(TOCN) の分散を水中で作り出します。 一価、二価、および三価の金属をセルロースナノファイバー上でイオン交換することができます。

日本ゼオン独自のTOCNプロセスは、抗菌性があることが知られている金属イオンをセルロースナノファイバーに付加する事により抗菌機能を発揮します。

技術の差別化と独自性

本技術は、銀または銅(粉末)を表面に塗布する他の方法に比べより少量の銀または銅を用い、より長期間にわたってより高い脱臭効果を提供することができます。  本技術により、表面に塗布される消臭剤や抗菌剤のコストを下げる事ができます。

日本ゼオン独自のプロセスは、ゲルに変わることなく多価金属でTOCNを作ります。 それは水中での分散です。 二価以上の金属イオンはTOCN間を架橋せず、同じTOCNのカルボキシル基間にイオン結合を形成します。

 

開発状況:

この製品は開発の最終段階にあります。日本ゼオンは現在、見込み顧客および開発パートナー向けに少量の評価サンプルを提供しています。

 

よくある質問

Q. TEMPOはナノファイバーについている状態ですか、あるいは酸化後除去されるのですか。

A. TEMPOは酸化に使用され、その後水性分散液から除去されます。

Q.原料は水性分散液ですか。

A.はい。

Q.現在、抗菌剤や消臭剤に使用されている材料は何ですか。

A.粉末の銀または銅です。

Q. 日本ゼオンの技術が既存の技術より優れているのはどのような点ですか。

A. Zeonテクノロジーは、少量の銀または銅を使用することで、長時間にわたってより高い脱臭効果を実現できます。これによりコストが下がると考えられます。

Q.日本ゼオンの意図は何ですか。ナノファイバーを販売するのか、ナノファイバーと一緒に繊維製品を販売するのか、それとも単に技術を提供するのか等。

A. 日本ゼオンは、ナノファイバーを購入し、TOCN-CUなどの製品を製造する予定です。日本ゼオンはナノファイバーを生産しません。

Q. TOCNは人間の皮膚と接触しても安全であるとテストされ、証明されていますか?

A. 日本ゼオンは、これまでTOCNでヒトの皮膚テストを実施していません。しかしながら消臭石鹸および類似の製品における技術の用途があり得ます。

 

求めている協業の種類

日本ゼオンは、消臭剤および抗菌剤市場あるいは新たな用途を開拓するための原材料販売先または共同研究開発パートナーを探しています。