米国海洋大気庁(NOAA)は、ブイのない水中物体の位置標示に関する新しいソリューションを模索している。水中物体の位置を特定し、追跡し、ユーザが最初の配備位置を越えて移動する可能性のある水中物体の位置を検出できる低コストのシステムが注目されている。システムは、水中物体の位置をマーキングするために、垂直線やブイを使用すべきではない。
背景
北大西洋セミクジラ(Eubalaena glacialis)は、アメリカ東海岸とカナダに分布する絶滅危惧種の大型クジラである。1935年以来、国際的な保護を受けているにもかかわらず、セミクジラは漁具への絡みつきや船舶の衝突により、捕鯨からの回復が遅れている。さまざまな保護活動にもかかわらず、北大西洋セミクジラは減少の一途をたどっており、推定で409頭しか残っていない。
漁具を絶滅から救うために提案されている解決策のひとつが、ブイを使わない漁具位置標識技術の開発である。この技術は、海底の漁具の位置を追跡するために現在使用されている垂直端線(ロープなど)がもたらす脅威を取り除くものである(下図参照)。この取り組みを前進させる上で大きな障害となるのは、海中に配備された漁具の位置を特定・追跡し、その位置を漁業者や近隣の船舶、取締機関に知らせるための安価なシステムを開発することである。
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考察
以下の点を考慮したソリューションが高い関心を集めている:
- 海底の物体の位置を特定し、その位置やその他の情報(物体の所有者名、物体が配置された日付など)をさまざまなユーザーに知らせることができる。
- オブジェクトの位置情報を迅速かつ正確に更新します。
- 低コスト。
- 水中展開時に海洋生物への影響を最小限に抑える。
- すぐに採用できる(理想的には2~5年以内)。
可能な解決策
- モノの海
- 水中モノのインターネット(IoUT)
ソリューションの望ましい結果
海底の物体の位置を特定し追跡するための、ブイのない水中物体位置標識を探している。
使用分野と用途
漁業者、近隣の漁船、取締機関に対し、海洋における漁具の配備場所を突き止め、追跡するための安価なシステムを提供する。