初期の技術スカウティングで候補企業が見いだせなかった場合


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yet2のクライアントが自信で技術スカウティングを行ったものの、望ましい代替サプライヤーが見つからなかったが、その結果をもとに戦略転換をした方法をご紹介します。

背景

COVID-19のパンデミックは、1年半経った今もサプライチェーンに悪影響を与え続けています。消費者の購買パターンの変化や需要の急増により、在庫予測は大幅な修正を余儀なくされています。製造企業は供給バランスの変化への対応が間に合わず、その結果消費者は品不足に悩まされる事になります。経済が不安定な現代では大企業は製品供給や市場シェア、利益率を守るために、サプライチェーン多様化のための技術スカウティング(オープンイノベーション)を利用するケースが後を絶ちません。

パンデミック発生以来、yet2はサプライチェーン崩壊を防ぐべく、クライアントのために技術スカウティングプロジェクトを幾度となく遂行してきました。直近では、2021年3月に、yet2の長年のクライアントであるコンシューマーヘルスケア企業から、売れ筋の一般用医薬品に使用されている重要な製剤(有効成分+サプリメント)の代替サプライヤーを探してほしいという依頼を受けました。そのクライアントは、すでにその製剤を製造するサプライヤー1社と取引を開始しておりましたが、同じ能力を持ち米国内に拠点を置く新たなサプライヤーとの協業を希望していました。

しかし、このプロジェクトの初期段階ではクライアントが想定していた適切なサプライヤーを見つけることができませんでした。そのため開発プロセスの追加こそ必要でしたが、yet2とクライアントはすぐにプロジェクトのスコープを変更し、クライアントのニーズを満たすことができる企業を7社に特定しました。以下がその詳細です。

 

yet2のプロセス

yet2のプロジェクトチームは自社のネットワークを活用し、潜在的なサプライヤーを発掘し、クライアントに代わって匿名でリサーチと初期評価を実施しました。これにより70社以上の候補企業を見出し、うち50社と連絡を取り詳細について問合せました。市場には多くの競合製品やプライベートブランドがあるため、当初クライアントは代替サプライヤーを簡単に見つけられると楽観視していました。

しかし、調査の初期段階で、米国のプライベートブランドはすべてクライアントと同じサプライヤーを使っていることが判明しました(クライアントはこのことを知りませんでした)。さらに調査を進めると、その製剤を供給する企業は米国内で1社しか存在しないことが判明しました。またさらにインタビューを進めていく中で、候補企業のうち30社は要件の一部しか満たしておらず、10社は必要な要件をすべて満たしているが米国に拠点を持っていないことが判明しました。

yet2の技術スカウティング活動により、要件を満たすサプライヤーは、当時米国内に存在しないと結論づけられました。

 

確信を持った上での戦略変更

技術スカウティングの結果、解決策が見つからないことは稀であり、理想的ではありませんが、望んでいた要件が不可能であることを確認することには価値があり、次善の策を真剣に検討する必要がある事を明確にしてくれます。

yet2のクライアントは、米国内で要件にあうサプライヤーが存在しないという結果を受け、単に国内の代替サプライヤーを見つけて協業すれば良いという話ではない事を確信を持って経営陣に説明しました。そして、次のような選択肢を検討することになったのです。

  • 「米国内」という要件を緩和し、国際的な視野を持つ。
  • 有効成分メーカーと提携し、希望するサプリメントを設計する能力を構築する。
  • サプリメントメーカーと提携し、有効成分を設計する能力を開発する。

これを受け、yet2は有効成分メーカーとサプリメントメーカーに匿名でコンタクトを取りま、要件を満たし提携に前向きな有望な候補企業7社を抽出する事ができました。そして現在、クライアントはこれら各社との協業機会を吟味しています。

 

テクノロジー・ランドスケープのスカウティングは、新しいソリューション・プロバイダーを発見したり、現在のパートナーがベストな選択であることを確認したり、あるいはこの稀なケースでは、これ以上の選択肢がなく、代替戦略を検討しなければならないことを確認したりするのに役立つことがあります。特定課題に対してyet2がどのように支援できるかについてご興味のある方は、ご遠慮なくお問合せください。


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