OIポータルとプロアクティブ技術スカウティングの両方を利用するタイミング
プロアクティブ技術スカウティング(能動的)とオープンイノベーション・ポータル(受動的)のどちらが最適か?3回に分けてこの質問にお答えします。今回は第3回、最終回です。

能動的なプロアクティブ技術スカウティングとオープンイノベーション・ポータル(OIポータル)のプロバイダーとして、私たちはしばしば、それぞれのアプローチをいつ使うべきかという質問を受けます。
3回に分けてお届けする本シリーズでは、それぞれのアプローチの利点を紹介し、同じ技術ニーズに対して両方のアプローチを使用することによる隠れた相乗効果を考察してみたいと思います。
今回は最終回の第3回、OIポータルとプロアクティブ技術スカウティングの両方を利用するタイミングについてお届けします。
シリーズ第1回「オープンイノベーション・ポータルを利用するタイミング」、第2回「プロアクティブ技術スカウティングを利用するタイミング」も併せてご覧ください。
yet2のすべてのクライアントがポータルサイトとプロアクティブ技術スカウティングの両方を利用しているわけではありません。しかし、私たちのポータルサイトのクライアントの80%は、同時にyet2のアクティブ技術スカウティングも採用しています。
ポータルサイトへの応募がスカウティング戦略を推進
OIポータルは、技術カテゴリーや産業、アプリケーション分野などが明確でない分野への応募を呼び込むことに長けたツールです。ポータルを通じてニーズを広く発信することで、クライアントは他の方法では得られないような潜在的なアイデアや技術を受け取ることができます。得られるアイデアや技術は、ニーズに対する正確なソリューションである場合もあれば、そうでない場合もありますが、プロアクティブ技術スカウティング戦略への新たなインプットとなるカテゴリーや産業を想起させてくれます。例えば、新しい冷却技術のスカウティングプロジェクトでは、ポータルを並行活用し、磁気冷却という興味深い技術の提案を受けることができました。これをきっかけに、スカウティングチームはこの技術分野を深く掘り下げ、クライアントが検討すべき有望なターゲットを特定しました。
中核的でありつつも戦略的な技術ニーズを把握
クライアントの多くは新規の技術や企業を継続的に把握しておきたいと考えている分野を常に抱えています。このようなニーズはクライアントにとって中核的事業分野であることが多く、スカウティング活動がコンフィデンシャルでない場合が殆どです。このようなニーズに対しては、OIポータルとプロアクティブ技術スカウティングの両方を活用することができ、効果的です。トピックの例としては、食品・飲料会社における糖質代替技術のスカウティング、パーソナルケア会社における新規経皮・経口デリバリー技術のスカウティング、日用品会社のサステナブルパッケージング材料のスカウティングなどが挙げられます。OIポータルは、外部企業が自社の技術をクライアントの目に留まるようにすることができる入口として機能します。クライアントの多くは、こうしたポータルで中核的ニーズを公募しつつも、適切なソリューションを見つける確率を高めるためにプロアクティブ技術スカウティングも並行して行っています。
あらゆる可能性についての検証
ソリューション獲得戦略の一環として、OIポータルとプロアクティブ技術スカウトの両方を利用し、すべての可能性を検討してみたいと考えるクライアントもいます。これはクライアントがすでに有望候補を特定していて、その候補が正しい選択であるかを確認したい場合や、ニーズに合致するソリューションが見つかる確率を高めたい場合などがあてはまります。特に、幅広い業界や技術カテゴリーを含み得るテーマ分野では、両方のアプローチを利用することにより潜在的ソリューションが得られる確率が高くなります。OIポータルとプロアクティブ技術スカウティングを組み合わせることで、あらゆるチャネルを開く可能性が広がります。
3回に渡ってお届けした「イノベーション促進のためのOIポータル」と「プロアクティブ技術スカウティング」のブログシリーズはいかがでしたでしょうか。このシリーズの第1回と第2回で取り上げたように、OIとプロアクティブ技術スカウティングを行うべき場合は明確であり、そして時には両方を利用することが理想的な場合もあるのです。
現在抱えておられるニーズ案件において、どのようなアプローチが効果的なのかをご検討されている際はお気軽にお問合せください。
写真提供: Gerd Altmann from Pixabay & Search by il Capitano fromNounProject.com